経理派遣を成功させる、社内周知のポイント

経理部門で人材派遣の利用を検討されている企業の皆様、派遣スタッフの受け入れ準備は万全でしょうか?
経理業務は、企業の根幹を支える重要な役割を担う一方で、専門性が高く、人材確保が難しい部門でもあります。そのため、繁忙期の業務量増加や、社員の急な退職など、一時的な人員補充を必要とするケースも少なくありません。
そのような状況において、人材派遣は有効な手段の一つとなります。しかし、派遣スタッフの力を最大限に引き出し、スムーズに業務を遂行してもらうために、事前の社内周知が大切です。
このコラムでは、経理派遣スタッフを受け入れる際に、企業が知っておくべき社内周知のポイントを、具体的な事例を交えながら解説します。

社内周知が大切な理由

経理部門内だけで派遣の利用を決定し、現場への周知を怠ると、経理部門と現場部門の間で認識の齟齬が生じ、結果的に派遣スタッフが孤立感を抱き、早期退職につながってしまったり、派遣スタッフの業務範囲や責任の所在が不明確なことから、現場で混乱が生じたりなど、思わぬトラブルが発生する可能性があります。
更に、派遣スタッフへの不満や、社員の不満につながってしまうと、経理部門の業務効率を低下させるだけでなく、社内の人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、経理部門で初めて派遣スタッフを受け入れる場合、派遣スタッフの役割や働き方について、社内の理解が不足していると、問題が発生しやすい傾向があります。
経理部門で専門性が高い業務の場合、他部署の社員からみると、経理派遣スタッフの業務をイメージしにくい場合があります。その場合に、十分な説明がないまま派遣スタッフを受け入れてしまうと、経理部門の社員だけでなく、他部署の社員も戸惑ってしまうことが出てきます。経理部門全体の生産性を?め、スムーズな業務遂行を実現するために、社内への周知が大切です。


周知すると良い3つのポイント

一般的に社員の入社周知はあるものの、派遣社員については周知されない場合があります。
経理派遣スタッフを受け入れる際に、企業が知っておくべき社内周知のポイントは、大きく次の3つになります。

経理派遣スタッフを受け入れる目的を明確にする

  • 経理部門の人員不足を解消するため、
  • 繁忙期の業務をサポートするため、
  • 専門的な知識やスキルを補うため、
  • 特定のプロジェクトを遂行するため、

など、派遣スタッフを受け入れる目的は企業によって様々です。
経理部門内で目的が明確になっていることはもちろん、他部署の社員とも共有することで、会社に派遣スタッフを受け入れやすくなります。
例えば、
「〇〇プロジェクトを成功させるために、〇〇のスキルを持つ派遣スタッフを受け入れます。」
「繁忙期の経理業務をサポートするため、〇〇業務をメインに担当する派遣スタッフを受け入れます。」
など、具体的な目的を示すことで、社員は派遣スタッフの役割を理解しやすくなります。
派遣スタッフを受け入れる必要がある理由を明確にすることで、派遣スタッフに対する不要な憶測や誤解を防ぎ、スムーズな受け入れ体制を構築することができます。経理部門の業務を効率化し、更に企業全体の生産性向上につなげるためにも、派遣スタッフを受け入れる目的を丁寧に説明することが大切です。

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経理派遣スタッフの所属部署と担当業務を具体的に示す

経理派遣スタッフがどの部署に所属し、何の業務を担当するかなどを具体的に示すことで、派遣スタッフが組織の中でどのように機能するのかを明確にします。経理部門内だけでなく、他部署との連携が必要な業務を担当する場合は、関係部署への周知も徹底することをおすすめします。
例えば、
「〇〇部署に所属し、〇〇業務を担当していただきます。」
「〇〇部署と連携し、〇〇業務のサポートを行います。」
など、所属部署と担当業務を明確にすることで、派遣スタッフが組織の中で孤立してしまうことを防ぎ、スムーズなコミュニケーションを促すことができます。派遣スタッフ自身も、自分の役割を理解することで、安心して業務に取り組むことができます。
社内に「何をやっているのかわからない人がいる」という不自然な状態が、派遣スタッフの場合によく見られます。事前の伝達はもちろんですが、経理部門への配属初日に、関係部署の社員に挨拶や紹介の機会を設けるなどして、社内へ周知することをおすすめします。

経理派遣スタッフの勤務条件(シフト)を共有する

経理派遣スタッフの勤務日数、曜日、時間帯などの勤務条件を社内で共有することは、業務の割り振りや調整を円滑にする上で重要です。経理部門の繁忙期など、特定の時期に業務が集中する場合は、派遣スタッフの勤務シフトを事前に周知しておくことで、業務の偏りを防ぎ、効率的な業務遂行につながります。
例えば、
「〇〇業務は派遣スタッフの〇〇さんに依頼してください。」
「〇日は派遣スタッフの〇〇さんは不在ですので、〇〇業務は〇〇さんが担当してください。」
など、具体的な指示を出すことで、社員は派遣スタッフに業務を依頼しやすくなります。
また、経理部門の社員だけでなく、他部署の社員も派遣スタッフの勤務条件を把握することで、業務の連携がスムーズになります。経理派遣スタッフの勤務条件を共有することは、派遣スタッフの働きやすさにもつながります。
育児中・介護中など特殊な事情がある派遣スタッフにとって、自らのシフトを把握・理解した上で業務の指示があることなどを想像すれば、その安?の程はご理解頂けると思います。
重要なことは、経理部門の責任者だけがシフトを知っているのではなく、現場の社員の皆様が知っていることです。経理部門の責任者が不在がちの現場ではなおさらです。

周知しないことが望ましいこと

経理派遣の利用において、派遣料金を社内に周知する必要はありません。派遣会社との契約料金は、派遣スタッフの給与の他、派遣会社の運営費や利益なども含まれています。また、派遣スタッフは一般的に賞与がありません。契約金額だけで派遣スタッフの給与と判断するのは危険です。このようなことから派遣料金を公開することで、誤解や憶測を招く可能性があるため、周知は避けるべきでしょう。
例えば、
「派遣料金が高いから、派遣スタッフに仕事を頼むのは控えよう。」
「派遣スタッフの給与は安いのに、派遣料金が高いのはおかしい。」
など、派遣スタッフのモチベーション低下や、社内の不満につながる可能性があります。一方で、上記の誤解が社内に蔓延している場合は、説明が必要であることは言うまでもありません。

まとめ

経理派遣スタッフの受け入れを成功させるためには、社内へ周知をしておくことが大切です。派遣スタッフの役割や働き方を明確にすることで、社内の理解を深め、スムーズな協働関係を築くことができます。経理派遣スタッフの受け入れ準備を進め、経理部門の業務効率化と生産性向上を実現しましょう。

 

 

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