経理派遣スタッフの力を最大限引き出すために

経理部門において人材派遣は一般的な選択肢となっています。しかし、派遣スタッフの活用が期待どおりに進まず、残念ながら「派遣社員が機能しない」といった声を聞くことがあります。
もちろん、派遣スタッフ側の問題も否定できません。しかし、派遣スタッフの能力を十分に発揮させ、経理部門の戦力として活躍してもらうためには、派遣を受け入れる企業側の姿勢も重要です。
このコラムでは、経理派遣スタッフの受け入れを成功させるために、企業側に求められることを考察します。

「派遣が思ったように・・・」という言葉の裏側にあるもの

既存の経理部門の社員、パート・アルバイトのみなさんから、派遣スタッフに対して「期待していた業務をしてくれない」「態度が悪い」といった不満の声が聞かれることがあります。「高い費用をかけて来てもらっているのに」「私たちよりも時給が高いのに」といった不満の背景には、派遣スタッフへの期待の高さがあると言えるでしょう。
勤怠が悪かったり、仕事に対する責任感が低い派遣スタッフは別として、経理派遣スタッフを受け入れる企業側も、派遣スタッフに対して、適切な指導や教育を行えているか、振り返る必要があります。
「経理の経験者だから教えなくてもできるはず」「高い費用を払っているのだから、教育コストをかける必要はない」という考え方はあまりよくありません。経理派遣スタッフが能力を発揮できない要因は、派遣スタッフ自身の問題だけでなく、企業側の受け入れ体制や対応にも起因する可能性があることを、私たちは認識する必要があります。

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経理派遣スタッフを受け入れる際の課題:入口対策

派遣スタッフを受け入れた後「こんなはずではなかった」という事態を避けるために、派遣の依頼段階から注意が必要です。派遣会社に人選を丸投げし、紹介されたスタッフをそのまま受け入れていたとしたら、「派遣スタッフが期待に届かない」となる確率が高まります。本来の派遣会社は、企業の要望をヒアリングし、それに合致する人材を紹介するよう努めており、最終的な判断は企業側が行っています。
以下の点を明確にして派遣会社と連携することが重要です。

派遣スタッフに任せる業務内容

経理業務は多岐にわたります。伝票入力、請求書処理、月次決算補助、税務申告補助など、具体的な業務内容を明確にすることで、必要な経理スキルを持つ人材を選定できます。

求められるスキル

簿記の資格、会計ソフトの使用経験、Excelのスキルなど、業務に必要なスキルを具体的に提示します。

職場で求められる人物像

経理部門の雰囲気や社員の働き方、チームワークを重視するのか、個人で黙々と作業できる人材を求めているのかなど、具体的な人物像を伝えることで、ミスマッチを防ぎます。
経理部門で社員やパートを採用する際と同様に、派遣スタッフの選定にも慎重になる必要があります。費用対効果を高めるためにも、派遣会社と密に連携し、自社の経理部門に最適な人材を見極めることが重要です。

経理派遣スタッフの能力を最大限に引き出すために:信頼関係の構築

派遣スタッフを受け入れた後も、企業側の対応が派遣スタッフのパフォーマンスを大きく左右します。「期待していたほど活躍してくれない」と感じる場合、その原因を丁寧に探る必要があります。

業務の指示や指導が不十分

派遣スタッフも入社当初は新人スタッフです。何をどこまで、どのように行ってほしいか、など、最初は具体的な指示や指導が必要です。「経理の経験者だから」「言わなくてもわかるはず」という考え方は、派遣スタッフの能力を十分に発揮させることを妨げる可能性があります。

コミュニケーション不足

業務上の問題点や改善点について、派遣スタッフとのコミュニケーションは必要です。一方的な指示や命令だけでは、派遣スタッフは萎縮してしまい、本来の力を発揮できません。

信頼関係の欠如

派遣スタッフをチームの一員として受け入れ、尊重する姿勢は伝わります。経理部門の社員と同様に接することで、派遣スタッフは安心して業務に取り組むことができます。
経理の仕事は、専門性が高く、責任も伴うため、派遣スタッフは不安を感じやすい立場にあります。企業側が積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を構築することで、派遣スタッフは安心して業務に取り組むことができ、その能力を最大限に発揮することができます。

経理派遣スタッフを最大限に活用する企業

経理派遣スタッフを受け入れる企業の中には、派遣スタッフの能力を最大限に引き出し、経理部門の戦力として活用している企業も多く存在します。そのような企業は、以下の点を徹底しています。

明確な役割分担

派遣スタッフに担当してもらう業務範囲を明確にし、責任の所在をはっきりさせる。

丁寧な指示と指導

派遣スタッフに業務を指示する際には、具体的な手順や期待する成果を伝える。

定期的なコミュニケーション

派遣スタッフと定期的に面談を行い、業務の進捗状況や課題を共有する。

評価とフィードバック

派遣スタッフの業務遂行能力を評価し、適切なフィードバックを行う。

チームの一員として受け入れる

派遣スタッフをチームの一員として尊重し、コミュニケーションを積極的に図る。
これらの点を徹底することで、派遣スタッフは経理部門の一員として責任感とやりがいを持って業務に取り組むことができ、結果的に経理部門全体の生産性向上につながります。


まとめ

経理派遣スタッフが能力を発揮できない要因には、派遣スタッフ自身だけでなく、経理部門に受け入れる企業側の姿勢にも大きく左右されます。派遣スタッフを経理部門の一員として迎え入れ、その能力を最大限に引き出すための努力が必要です。企業と派遣スタッフの双方の歩み寄りと協力が不可欠です。

 

 

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