経理派遣を依頼する企業の担当者の役割と効果的な依頼方法

経理派遣社員を受け入れる目的は、一時的な人員補充から専門知識の活用まで多岐にわたります。
そのため、経理部門の派遣を依頼するときは、単に「人手が欲しい」というニーズだけでなく、経理の専門性や会社の特殊性を考慮する必要があります。特に経理の専門性の有無は経理部門への影響が大きくなります。
経理派遣を成功させるために、経理部門の状況を詳細に説明できる担当者が適任です。依頼する担当者の役割、効果的な依頼方法について解説します。


経理派遣依頼する担当者の役割

派遣会社へ依頼する「担当者」が重要なカギを握る

業務内容や職場環境を理解している「担当者」が派遣を依頼することが望ましいです。派遣会社との認識の齟齬が生じにくくなり、派遣スタッフの離職を防ぐこともできます。
また、経理派遣を成功させるためには、企業側が主体的に関わり、派遣会社と協力して最適な人材を選ぶことが重要であり、その成否は、依頼担当者の役割に大きく左右されると言えるでしょう。

経理業務への深い理解がある人が適任

派遣会社にマッチング率が高い人材を選定してもらうために、会社の経理派遣スタッフに担当してもらいたい業務内容、必要な経理スキルを確認しておくことが重要です。

  • 経理部門の組織体制
  • 経理部門の雰囲気
  • 経理部門の課題
  • 経理部門の働き方

経理部門の状況を具体的に伝えることで、派遣会社はよりマッチ度の高い人材を選定しやすくなります。ある企業の事例では、経理部門の状況を詳細に伝えたことで、派遣スタッフの早期離職を防ぎ、経理部門全体の生産性が10%向上したという報告もあります。
また、企業や経理部門の人数、年齢層、男女比、部署内のコミュニケーションの活発さ、繁忙期の時期、ルーティン業務の内容、イレギュラー業務の発生頻度、業務の進め方など、詳細を具体的に伝えることで、派遣スタッフが働きやすい環境を提供することができ、職場に早く馴染み、能力を最大に発揮することができます。

効果的な依頼方法

派遣会社への伝え方も大切です。経理業務を棚卸できる人がいない場合もあるかもしれません。その場合は経理専門の派遣会社に相談することも有効です。

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経理派遣の依頼で伝えると良い「業務内容」と具体例

経理派遣に依頼したい業務内容

経理派遣スタッフに担当してほしい業務を、細かく洗い出すことが、ミスマッチを防ぐための第一歩です。

業務の目的

なぜその業務を行う必要があるのか、その目的を明確にします。

業務の範囲

どこからどこまでを派遣スタッフに担当してもらうのか、責任の所在を明確にします。

業務の手順

具体的な作業手順や、使用するツール、システムなどを説明します。

求められるスキル

業務を遂行するために必要な経理知識、会計ソフトの使用経験、Excelスキルなどを具体的に示します。

成果の定義

どのような状態になれば業務が完了したと言えるのか、具体的な成果を定義します。

関連部署との連携

他部署との連携が必要な業務の場合は、連携方法や担当者などを伝えます。

業務の優先順位

複数の業務を依頼する場合は、優先順位を明確にします。

業務の頻度と量

業務の頻度(毎日、毎週、毎月など)と、1日あたりの処理件数などを伝えます。

納期・期限

業務に納期や期限がある場合は、具体的に伝えます。

その他

特記事項や注意事項がある場合は伝えます。

経理派遣に依頼したい業務の具体例

例えば、経理事務の派遣を依頼する場合、以下のように具体的に業務内容を示すことができます。

請求書発行・入金管理業務

顧客からの注文に基づき、請求書を作成し、郵送またはメールで送付する。
支払期日を管理し、入金状況を確認する。
未入金の場合の対応は、営業担当者または顧客に連絡し、入金督促を行う。

伝票入力業務

請求書や領収書に基づき、勘定科目を判断し、会計システムに伝票を入力する。
入力内容に誤りがないか、ダブルチェックを行う。
入力期限を守り、月次締め処理に間に合わせる。

月次決算補助業務

売上高、売上原価、販売費及び一般管理費など科目内訳を確認する。
月次決算仕訳を入力する。
勘定科目の残高を照合し、差異分析を行う。
月次決算資料・報告書を作成する。

経理部門の職場環境

実際の経理部門の職場環境が分かるとイメージしやすくなります。

物理的な環境
作業スペース

個人の作業スペースの広さ、デスク配置、照明の明るさ、空調の温度設定、騒音の有無、換気の状況などを伝えます。

設備

使用するPCのスペック、会計ソフトの種類、プリンター、コピー機などの情報を伝えます。

その他施設

休憩室の有無、広さ、設備、更衣室・ロッカーの有無、利用方法、喫煙環境などを伝えます。

組織的な環境

経理部門の人数、雰囲気: 経理部門全体の人数、年齢層、男女比、部署内のコミュニケーションの活発さなどを伝えます。

チーム体制

チームで仕事をするのか、個人で作業することが多いのか、チームワークの重要度などを伝えます。

教育体制

業務の説明方法、OJTの有無、研修制度など、教育体制について伝えます。

就業規則

服装規定、休憩時間、残業の有無など、就業規則について伝えます。

評価制度

派遣スタッフの評価方法、評価基準などを伝えます。

心理的な環境
コミュニケーション

上司や同僚とのコミュニケーションの頻度、コミュニケーション方法(対面、メール、チャットなど)を伝えます。

裁量

業務の進め方における裁量の範囲、指示の受け方などを伝えます。

責任

業務における責任の範囲、責任の重さなどを伝えます。

成長機会

業務を通してどのようなスキルを身につけることができるか、キャリアアップの可能性などを伝えます。

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派遣会社との連携

経理派遣の依頼を成功させるためには、派遣会社との密なコミュニケーションが不可欠です。
下記のように採用後のミスマッチになると、再び採用を始めることとなります。依頼した「担当者」は同じ採用を繰り返す工数が多くなり、既存経理・財務部門のメンバーも疲弊してモチベーションが下がるなど、企業側のロスは大きくなります。

  • 「期待していたスキルを持った人材が来が来なかった」
  • 「経理部門の雰囲気に合わず、すぐに辞めてしまった」

実際、ある労働者派遣事業者の調査によると、派遣スタッフの離職理由として、「労働環境が合わなかった」、「募集内容と実態が異なる」が1位2位を占めており、これらの原因は派遣依頼時の情報伝達不足に起因するケースも少なくありません。

打ち合わせの実施

業務内容や職場環境について、派遣会社の担当者と直接打ち合わせの機会を設けることで、認識の齟齬を防ぎ、より詳細な情報を伝えることができます。

情報共有の徹底

派遣会社に対して、経理部門の状況や求める人材像を積極的に情報共有することで、ミスマッチを防ぎ、適切な人材の紹介を促すことができます。

派遣スタッフへの配慮

派遣スタッフが働きやすい環境を整えることは、派遣スタッフのモチベーションを高め、業務効率を向上させる上で重要です。

経理派遣を成功させるためには、企業側が主体的に関わり、派遣会社と協力して最適な人材を選ぶことが重要です。また、専門性のある派遣会社に相談することも検討することも有効です。

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