

導入:「性格」や「気分」で仕事の質が変わってはいけない
「今日はやる気が出ないから、ミスしちゃった」
「私、大雑把な性格だから、チェック漏れが多いの」
プライベートならそれでも良いかもしれません。
しかし、企業の信用(お金)を預かる経理の実務において、「性格」や「その日の気分」でアウトプットの質が変わることは許されません。
では、経理に向いているのは「生まれつき几帳面で、常にやる気に満ち溢れているスーパーマン」だけなのでしょうか?
いいえ、違います。
本当に優秀な実務家とは、「どんなに気分が乗らない日でも、淡々といつも通りの成果を出せる仕組み(型)」を持っている人のことです。
RSTANDARDが提唱する「標準化(Standardization)」とは、まさにこのことです。 個人の資質や感情に依存せず、「行動」を変えることで成果を保証する。
本コラムでは、性格や気分に左右されずに経理として活躍するための、8つの実務行動(適性)を、具体的な現場の事例を交えて解説します。
まず大前提として、「やる気(モチベーション)」を仕事の動力源にするのはやめましょう。
人間ですから、体調が悪い日もあれば、プライベートで嫌なことがあって落ち込む日もあります。
そんな「気分の底」の日でも、会社のリスクを守り抜くのが経理の仕事です。
「斬ろうと思った時には、すでに斬り終えている」
一流の剣士には、このような逸話があると言われています。
敵を認識した瞬間、思考するよりも早く身体が動き、気づいた時にはすでに剣を振るい終えている。
そこには、「怖い」とか「どう斬ろうか」といった迷いや不安が入り込む隙間が一切ありません。これこそが「無敵」の境地です。
経理における「標準化」とは、この領域を目指すこと
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、経理実務も同じです。
「今日は面倒だな…」「やりたくないな…」
そう脳が感じる暇も与えず、始業のチャイムと同時に指が動き、気づけば「最初の1本の仕訳」を切り終えている。
RSTANDARDが提唱する「標準化」とは、あなたをこの領域に引き上げるための準備です。
マニュアルやチェックリストという「型」が身体に染み付いていれば、思考(やる気)を介さずに、行動(成果)を生み出せます。
ひとたび動き出せば、不安は消え、リズムが生まれます。
感情を凌駕するスピードで、最初の結果を出すこと。 それが実務家の働き方です。
よくある「向いている人の特徴」を、「性格」ではなく「実務行動」へと翻訳し直します。
性格を変える必要はありません。行動を変えればいいのです。
@ 「正確な作業が得意」の正体
【誤解】 1回でミスなく完璧に入力できる性格。
【真実】 自分の目や注意力を信用せず、「検算(突合)」という行動を取れること。
【現場の事例:請求書入力】
・性格頼み(失敗例):
「よし、気合を入れて入力するぞ!」と集中して入力。しかし、疲れてきた後半で数字を打ち間違え、それに気づかず「目視チェック」だけで終了してしまう。
・標準化(成功例):
何も考えずに入力する。その後、ExcelのSUM関数で「入力データの合計」を出し、手元の「請求書の合計額」と引き算をする。差額が「0」になったこと(事実)を確認して完了とする。
これなら、どんなに眠くてもミスは物理的に通過できません。
A 「責任感がある」の正体
【誤解】 最後まで一人で抱え込んで頑張る性格。
【真実】 「ヤバい」と思った瞬間に、アラート(SOS)を出せる行動力。
【現場の事例:決算作業の遅れ】
性格頼み(失敗例):
「終わらない…でも自分の責任だ、残業してなんとかしよう」と隠れて頑張る。結局、期日当日になっても終わらず、「すいません、できてません」と報告し、チーム全体がパニックになる。
標準化(成功例):
業務開始前にスケジュールを引き、進捗が「予定より2時間遅れた」時点で、感情を挟まず上司に「進捗遅れが発生しています。ヘルプが必要かもしれません」と報告するルールにしておく。
これにより、ボヤのうちに火が消し止められます。
B 「ルーティンを楽しめる」の正体
【誤解】 退屈な作業を我慢できる忍耐強い性格。
【真実】 何も考えずに手が動くレベルまで、作業を「型化」できる能力。
【現場の事例:毎月の交通費チェック】
性格頼み(失敗例):
「またこの作業か、面倒くさいな…」と思いながら、社員100人分の経路を一つ一つネットで検索して確認する。飽きてきて見落としが発生する。
標準化(成功例):
「このチェック作業、自動化できないか?」と考え、乗換案内ソフトと連携させて一括判定するフローを組む。あるいは、「チェックリスト」を作成し、音楽を聴くような感覚でリズミカルに処理する。
頭を使わずに済む仕組みを作ることで、退屈さを排除します。
C 「コツコツ継続できる」の正体
【誤解】地味な作業が好きでたまらない性格。
【真実】作業の先にある「目的(ゴール)」を見据えて動ける視座。
【現場の事例:領収書のファイリング】
性格頼み(失敗例):
「なんで私がこんな紙を貼るだけの作業をしなきゃいけないの?」と不満を持ちながら作業する。雑に貼ってしまい、後で剥がれる。
標準化(成功例):
「これは5年後の税務調査で、調査官に見せるための『証拠資料』を作っているんだ」と定義する。
「調査官が見やすいように、日付順に右肩上がりに貼ろう」という目的意識が生まれ、作業の質が自動的に上がります。
D 「数字に抵抗がない」の正体
【誤解】数学が得意で、計算が速い性格。
【真実】数字の「違和感」に気づくために、定点観測を続けられる行動。
【現場の事例:試算表のチェック】
性格頼み(失敗例):
「貸借が合っているからOK」と、計算上の正しさだけで満足してしまう。
標準化(成功例):
必ず「前月比」を見るルールにする。「水道光熱費が先月より30%上がっている。なぜ?」と疑問を持ち、現場に確認する。 「エアコンが故障していた」などの事実を突き止める。計算ではなく、「比較」という行動が異常検知を生みます。
E 「コミュニケーション力がある」の正体
【誤解】誰とでも仲良く話せる明るい性格。
【真実】 期日を守らせるために、先回りしてサポートする仕組み作り。
【現場の事例:営業部への督促】
性格頼み(失敗例):
「あの怖い営業部長に、領収書出してって言いにくいな…」と悩み、期限ギリギリまで言い出せない。結果、提出が遅れて自分も困る。
標準化(成功例):
期限が過ぎてから督促するのではなく、「期限の3日前にリマインドする」という仕組みを作る。
「お忙しいと思いますが、今月は〇日が締め切りです。領収書の整理など、何かお手伝いできることはありますか?」というテンプレートを送る。
これなら心理的負担なく相手に気づきを与え、さらに「協力的な経理」として信頼も獲得できます。
F 「素直で誠実」の正体
【誤解】人の言うことを何でも聞く従順な性格。
【真実】 人ではなく、「会計ルール(法律)」に対して誠実である姿勢。
【現場の事例:社長からの無茶振り】
性格頼み(失敗例):
社長に「この家族旅行の代金、会議費で落としておいて」と言われ、「はい…(ダメだけど言えない)」と処理してしまう。→脱税リスク。
標準化(成功例):
「判断基準は税法のみ」と決めておく。
「社長、税法の規定では、これは個人の給与課税になりますがよろしいですか?」と、ルールを盾にして事実を伝える。
人への忠誠心ではなく、法への忠誠心を持つことが、結果的に社長を守ります。
G 「柔軟な対応ができる」の正体
【誤解】どんな無茶振りにも対応する性格。
【真実】 「検出」と「改善」のステップを切り分けられる能力。
【現場の事例:1円のズレ】
性格頼み(失敗例):
「完璧じゃないと気持ち悪い!」と感情的になり、1円のズレを探すために終電まで残業する。結果、残業代が数万円発生し、会社に損失を与える。
標準化(成功例):
まず、「合っていない」という計算結果(事実)を受け入れる。ここまでが第一段階の標準化です。
次に、ステップを切り替えます。
「原因不明の1円か。今は決算を締めるのが優先だから、一旦は雑損失で処理し、来月再発しないように原因を特定する時間を別途設けよう(改善)」
このように、検出(Fact)と、原因究明・改善(Action)を冷静に分けられることが、真の実務能力です。
「そうは言っても、自分一人で感情をコントロールするのは難しい…」
そう感じるのが当然です。
だからこそ、RSTANDARDが存在します。
私たちは、「あなたの性格を変えましょう」とは言いません。
代わりに、「誰がやっても、どんな気分の時でもミスが起きにくい、標準化された業務フロー(型)」を研修で授けます。
「標準化」こそが、あなたを守る
RSTANDARDスタッフの研修では、以下のような「実務の型」をトレーニングします。
・チェックの型: 自分の目を信じず、必ず「Excelでの逆算」で確認する手順。
・サポートの型: 相手のミスを責めるのではなく、事前にアラートを出して防ぐ仕組み。
・改善の型: ミス(事実)を検出した後、どうやって再発を防ぐかを考えるプロセス。
これらを身につければ、性格やその日のコンディションに関わらず、「実務家としての合格点」を常に出せるようになります。
それが、あなたの市場価値となり、安定したキャリアへと繋がるのです。
【経理に向いている人の新定義】
× 生まれつき几帳面で、常にやる気がある人
○ 自分の弱さや気分の波を認め、それを「標準化(仕組み)」で解決しようとする人
「私には無理かも」と性格を理由に諦める前に、視点を変えてみてください。
経理は、センスや才能の世界ではありません。
「正しい手順」と「守るべきルール」さえ身につければ、誰でも安定して成果を出せる、非常に公平な職種です。
自分を変える必要はありません。やり方(型)を覚えるだけです。
そのための「標準化メソッド」を、RSTANDARDと一緒に身につけませんか?
▽あなたの弱点を「型」でカバーする▽

RSTANDARDはバックオフィスの効率化・付加価値向上・コスト削減・アウトソーシング等の各種支援サービスを行っております。