

導入:副業は「生活の足し」ではなく「キャリアの武器」である
「派遣社員として働きながら、副業で収入を増やしたい」
「経理のスキルを活かして、週末だけ別の会社の仕事をしてみたい」
働き方改革が進む中、派遣社員として働きながら副業(ダブルワーク・兼業)を検討する方が増えています。
理由は「収入アップ」だけでなく、「新しいスキルの習得」や「将来の独立準備」など、ポジティブな動機も多く見られます。
結論から申し上げますと、派遣社員が副業を行うことは法律上「可能」です。
労働基準法では、勤務時間外の時間をどう使うかは労働者の自由とされているからです。
しかし、自由には責任が伴います。特に「経理職」の場合、機密情報の扱いやインサイダー取引規制など、一般的な職種よりも高いコンプライアンス意識が求められます。
また、税金や社会保険の仕組みを正しく理解していないと、「会社にバレてトラブルになった」「働きすぎて体調を崩した」という事態になりかねません。
本記事では、経理専門のRSTANDARDスタッフが、副業を始める前に必ず確認すべき法的ポイントと、リスクを回避して賢く稼ぐための戦略を徹底解説します。
「法律で認められているから大丈夫」と安易に始めるのは危険です。
実務上は、以下の3つの壁をクリアする必要があります。
@ 就業規則の確認(派遣元・派遣先)
まず、雇用主である派遣元(RSTANDARDスタッフなど)の就業規則を確認しましょう。
多くの派遣会社では「副業可」としていますが、「事前届出制」や「許可制」をとっている場合があります。無断での副業は、就業規則違反(懲戒対象)になるリスクがあります。
また、派遣先企業のルールにも配慮が必要です。直接の雇用関係はありませんが、派遣先が「セキュリティ上の理由で副業禁止」としている場合、トラブルを避けるために配慮が必要なケースもあります。
A 競業避止義務と利益相反
特に注意すべきは、「競業避止義務(ライバル企業での就労禁止)」です。
例えば、A社の経理として働きながら、A社の競合であるB社の経理を副業ですることは、情報の流出リスクが高いため認められないケースがほとんどです。
B 健康管理と安全配慮義務
企業には、従業員の健康を守る「安全配慮義務」があります。
「副業のしすぎで本業中に居眠りをする」「ミスが増える」といった状態になれば、本業の契約更新が止まる(雇い止め)正当な理由になり得ます。
あくまで「本業(派遣)がメイン」であることを忘れてはいけません。
経理職が副業をする場合、他の職種にはない特有のリスクが存在します。
「判断できる実務家」として、以下の点には細心の注意を払ってください。
インサイダー取引規制
経理は、会社の「未公表の決算情報」や「M&A情報」に触れる立場です。
副業先でうっかり本業の内部情報を漏らしたり、逆に副業先で得た情報をもとに株取引を行ったりすると、金融商品取引法違反(インサイダー取引)で逮捕される可能性があります。
「口が堅い」ことは、経理の副業において絶対条件です。
繁忙期のバッティング
経理の繁忙期(月初・月末・決算期)は、どの会社も同じタイミングでやってきます。
「本業が忙しいので副業を休みます」と言えれば良いですが、両方で納期が重なるとパンクします。
副業を選ぶ際は、納期が柔軟なものや、繁忙期がずれているものを選ぶ視点が重要です。
副業をする際、非常に複雑になるのが「労働時間の管理」と「残業代」です。
労働基準法第38条では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても通算する」と定められています。
労働時間の通算ルール
本業と副業の労働時間を合計して、1日8時間・週40時間を超えた場合、その超過分には割増賃金(残業代)が発生します。
【原則的なルール】
・「後から契約した方(多くは副業先)」に、割増賃金を支払う義務が発生します。
・もし副業先がこれを知らずに通常の時給しか払っていない場合、法律違反(賃金未払い)となります。
派遣社員の注意点
雇用主である派遣会社(RSTANDARDスタッフ)は、あなたの総労働時間を把握する必要があります。
「副業でどれくらい働いているか」を正しく申告しないと、派遣会社が適切な労務管理(36協定の遵守など)を行えなくなってしまいます。
隠れて副業をすることは、派遣会社に法的リスクを負わせる行為でもあるのです。
本業と副業、両方で一定の労働時間(週20時間以上など)を満たすと、両方の会社で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する義務が生じます。
手続きの複雑さ
この場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を年金事務所に提出する必要があります。
これにより、両社の給与を合算して保険料を計算し、各会社が按分して負担することになります。
【デメリット】
・手続きが煩雑で、両方の会社に「副業していること」と「相手先の給与額」が完全にバレます。
・会社側の事務負担が増えるため、嫌がられる可能性があります。
一般的には、副業側の労働時間を「社会保険の加入要件未満(週20時間未満など)」に抑えるのが無難な戦略です。
「副業禁止ではないけれど、波風を立てたくないから会社には知られたくない」
そう考える方も多いでしょう。ここで重要になるのが「住民税」の知識です。
住民税でバレる仕組み(特別徴収)
通常、住民税は前年の所得に基づいて計算され、本業の給与から天引き(特別徴収)されます。
副業で収入が増えると、住民税額も増えます。本業の経理担当者が「この人の給与に対して、住民税が高すぎる(他に収入があるな)」と気づくのが、最も多いバレるパターンです。
「普通徴収」にすればバレない?の嘘
よく「確定申告で『普通徴収(自分で納付)』を選べばバレない」と言われますが、これには条件があります。
・副業が「給与所得(アルバイト・パート)」の場合:
原則として、本業の給与と合算して「特別徴収(給与天引き)」に一本化されます。自治体によっては普通徴収への切り替えを認めてくれないケースが多く、回避するのは困難です。
・副業が「雑所得・事業所得(業務委託・フリーランス)」の場合:
確定申告書で「普通徴収」を選択することで、副業分の住民税通知を自宅に送ることが可能です。
つまり、会社に知られたくないなら、アルバイト(雇用契約)ではなく、業務委託(請負・委任)での副業を選ぶべきです。
確定申告の義務(20万円ルール)
副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超える場合、確定申告が必須です。
20万円以下でも、住民税の申告は別途必要ですので注意しましょう(申告漏れは脱税になります)。
以上のリスクを踏まえた上で、経理派遣スタッフにおすすめの副業スタイルとは何でしょうか。
それは、「時間を売る(時給労働)」ではなく「スキルを売る(成果報酬)」働き方です。
推奨:業務委託での「記帳代行」「経理サポート」
クラウドソーシングや知人の紹介などで、中小企業や個人事業主の経理業務を請け負います。
メリット: 自分のペースで働ける。住民税を普通徴収にしやすい。
スキルアップ: freeeやマネーフォワードなどのSaaSスキルがあれば、リモートでの案件獲得が容易になります。
非推奨:夜間のコンビニや飲食店のアルバイト
体力を消耗し、本業に支障が出る可能性が高いです。また、給与所得となるため労働時間の通算ルールが適用され、管理が複雑になります。
派遣社員の副業は、正しく行えばキャリアを加速させる強力な武器になります。
1.本業(RSTANDARDスタッフ): 生活の基盤となる安定収入と、大手企業などでの実務経験を得る。
2.副業: 本業では経験できない業務や、将来の独立に向けたトライアルを行う。
この「ポートフォリオ」を組むことで、リスクを分散しながら市場価値を高めることができます。
【RSTANDARDスタッフ・キャリアのスタンス】
私たちは、スタッフの皆様の「自律的なキャリア形成」を応援しています。
副業を検討されている場合は、隠さずに担当コンサルタントにご相談ください。
「就業規則上のクリア方法」や「本業とのバランス調整」など、あなたがトラブルなく活躍できるようアドバイスいたします。
また、RSTANDARDキャリアでは、副業OKの正社員求人も取り扱っています。「もっと自由に働きたい」「正社員になりたい」という希望があれば、ぜひ一度お問い合わせください。
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