経理コンサルタントとは?サービス内容や依頼先を解説

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企業の成長を、屋台骨として支える「経理部門」。しかし、その重要性とは裏腹に、多くの企業が、その業務の非効率性や、属人化といった、深刻な課題を抱えています。 日々の記帳や請求業務、入金管理、そして月次・年次決算。これらの定型的な業務に追われ、本来、経理部門が果たすべきである「経営の羅針盤」としての役割を、十分に果たせていないのが実情ではないでしょうか。 こうした、企業の経理に関するあらゆる課題を、専門的な知見から解決し、経営を次のステージへと導く、頼れるパートナー。それが「経理コンサルタント」です。 この記事では、そんな経理コンサルタントが、具体的にどのようなサービスを提供してくれるのか、その業務内容から、類似する他のコンサルタントとの違い、そして自社に最適な依頼先の選び方まで、専門家の視点から、分かりやすく徹底的に解説していきます。

経理アウトソーシングで業務効率化・コスト削減

経理アウトソーシングならRSTANDARD

経理コンサルタントとは?

経理コンサルタントとは、その名の通り、企業の「経理」に関する、あらゆる課題の解決を専門とするコンサルタントのことです。 日々の業務プロセスの改善といったミクロな視点から、経営戦略にまで踏み込んだマクロな視点まで、幅広い領域をカバーします。
彼らは、単に記帳代行や、決算業務といった実務を代行するだけではありません。クライアント企業の経理業務の現状を、客観的に分析・評価し、そこに潜む問題点や非効率な部分を洗い出します。そして、その課題を解決するための、最適な業務フローの構築や、システムの導入、あるいは組織体制の再構築といった、具体的な改善策を提案し、その実行までをハンズオンで支援します。


経理コンサルタントのサービス内容

経理コンサルタントが提供するサービスは、非常に多岐にわたります。ここでは、その代表的な4つのサービス内容について、ご紹介します。

経理業務の効率化の支援

これは、経理コンサルタントが提供する、最も中心的で、多くの企業が課題としている領域です。
まず、現在の経理業務全体の流れを詳細にヒアリングし、「どこに、無駄な作業があるのか」「どこで、業務が滞留しているのか」といった、ボトルネックを可視化します。
その上で、クラウド会計ソフトや、請求書発行システム、経費精算システムといった、最新のITツールを導入し、手作業で行っていた業務を自動化・効率化するための支援を行います。これにより、請求書の発行や、入金消込、経費精算といった、定型的な作業にかかる時間を劇的に削減し、経理担当者の生産性を、飛躍的に向上させることができます。

経理業務にかかるコストの削減

業務の効率化は、そのままコストの削減に直結します。 例えば、請求書を電子化すれば、これまでかかっていた用紙代や印刷代、郵送費といった物理的なコストが、ほぼゼロになります。
また、経費精算システムを導入すれば、申請から承認、そして支払いまでのプロセスがスムーズになり、従業員と経理担当者、双方の作業工数を大幅に削減できます。 こうした日々の業務にかかる、目に見えないコストを一つひとつ削減していくことで、企業全体の利益率を改善することに貢献します。 

M&Aや資金調達をはじめとする経営戦略の策定

経理コンサルタントは、単なる業務改善だけでなく、より高度な経営判断に関わる領域でも、その専門性を発揮します。 例えば、M&A(企業の合併・買収)を検討する際には、相手企業の財務状況を詳細に分析する「デューデリジェンス」の支援を行います。
また、新規事業のための資金調達を検討する際には、金融機関に提出するための、説得力のある事業計画書や、資金繰り表の作成をサポートします。 経理データという、客観的な数値に基づいて、企業の成長戦略や、リスク管理に関する、的確なアドバイスを提供することも、経理コンサルタントの重要な役割です。


税理関係の法規制や税制に関するアドバイス

税法は、毎年のように改正が行われ、非常に複雑です。最新の税制を正しく理解し、適切な税務処理を行うことは、企業にとって不可欠です。
経理コンサルタントは、税理士と連携しながら、インボイス制度や、電子帳簿保存法といった、新たな法規制への対応をサポートします。どのようなシステムを導入し、どのような業務フローを構築すれば、法令を遵守できるのか、具体的なアドバイスを提供します。また、活用できる可能性のある、税制上の優遇措置などについての情報提供を行い、企業の適切な節税を支援することもあります。

経営に関わるほかのコンサルタントとの違い

経理コンサルタントとよく似た領域で活躍する、他のコンサルタントとの違いを明確にしておきましょう。

財務コンサルタント

財務コンサルタントは、主に企業の「未来」のお金に関わる、資金戦略を専門とします。 彼らの仕事の中心は、企業の資金調達(銀行融資、増資など)や、M&A、投資計画といった、企業の成長戦略に直結する、財務的な意思決定をサポートすることです。企業の財務状況を分析し、将来のキャッシュフローを予測し、最適な資金計画を立案します。経理コンサルタントよりも、より経営の中枢に近い、CFO(最高財務責任者)的な役割を担うことが多いです。 

会計コンサルタント

会計コンサルタントは、企業の「過去」から「現在」の会計情報が、正しく、そして適切に処理されているかを専門とします。

彼らの主な役割は、会計基準に準拠した、正確な決算書の作成支援や、内部統制の構築支援、あるいは国際会計基準(IFRS)の導入支援など、会計のルールに則った、適正な情報開示の体制を整えることです。公認会計士の資格を持つ人が、この領域で活躍することが多いです。 

税務コンサルタント

税務コンサルタントは、その名の通り「税金」に関する専門家であり、その多くは税理士です。 彼らの独占業務は、法人税や消費税などの、税務申告書の作成代理と、税務調査への対応です。

それに加え、最新の税制に基づいた、最適な節税対策の提案や、事業承継、組織再編に伴う税務上のアドバイスなど、税務に関するあらゆる相談に応じます。

経理コンサルタントは、これら全ての領域と密接に関わりながら、特に日々の「経理業務のプロセス改善」に、その主眼を置いている、という点が、大きな違いといえるでしょう。

経理コンサルタントに必要なスキル

企業の経理部門を、的確に指導・改善するためには、非常に高度で、多岐にわたるスキルが求められます。 

経理業務全般の幅広い知識

日々の仕訳や記帳、月次・年次決算の作成といった基本的な実務知識はもちろんのこと、原価計算や、管理会計、資金繰り管理、そして税務に関する知識まで、経理業務全般を俯瞰できる、幅広い知識が不可欠です。机上の知識だけでなく、実際の業務プロセスを深く理解していることが、実践的な改善提案に繋がります。 

論理的思考力と課題解決能力

現状の業務プロセスを客観的に分析し、どこに問題の本質があるのかを突き止める「論理的思考力」。そして、その課題に対して、実現可能で、かつ最も効果的な解決策を導き出す「課題解決能力」。これは、コンサルタントとして、最も基本的な、そして最も重要な資質です。 

コミュニケーション能力

経理コンサルタントの仕事は、一人で完結するものではありません。経営者や、経理担当者、あるいは営業部門のスタッフなど、社内の様々な立場の人々と対話し、信頼関係を築く必要があります。相手の意見を丁寧にヒアリングする力、そして、専門的な内容を、誰にでも分かりやすく説明する力。こうした、高いコミュニケーション能力がなければ、どんなに優れた改善案も、現場に受け入れられ、実行されることはありません。 

システム分野の知識

現代の経理業務の効率化は、ITシステムの活用と、切っても切れない関係にあります。クラウド会計ソフトや、ERP(統合基幹業務システム)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といった、最新のテクノロジーに関する知識は、もはや必須といえるでしょう。クライアント企業の状況に合わせて、最適なシステムを選定し、その導入をスムーズに支援する能力が求められます。

経理コンサルタントを活用すべき企業

では、どのような課題を抱える企業が、経理コンサルタントの活用を検討すべきなのでしょうか。
まず、経理担当者の退職や、人手不足に悩んでいる企業です。業務が特定の人に属人化しており、その人がいなくなると、途端に業務が回らなくなる、といった状況は、非常に危険です。コンサルタントに依頼し、業務を標準化・システム化することで、こうしたリスクを回避できます。

また、事業が急成長しており、現在の経理体制が、その成長スピードに追いついていない企業も、活用の良いタイミングです。取引量が増え、手作業での管理に限界を感じているのであれば、プロの力を借りて、事業規模に合った、スケーラブルな経理体制を構築すべきです。

さらに、経営者が、経理部門から上がってくる数字を、十分に経営判断に活かせていないと感じる場合も、相談の価値があります。月次決算の早期化などを通じて、経営の意思決定に役立つ、リアルタイムな財務情報を提供できる体制を、共に作り上げてくれます。

経理コンサルタントの依頼先とそれぞれの特徴

経理コンサルティングを依頼できる先は、一つではありません。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合った依頼先を選ぶことが重要です。

 

依頼先@経理コンサルティング会社

経理業務の改善や、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を専門に手掛けるコンサルティング会社です。業務プロセスの分析から、システム導入支援まで、幅広い知見と豊富な実績を持っているのが強みです。ただし、費用は比較的高額になる傾向があります。

依頼先A会計事務所

公認会計士が所属する会計事務所も、会計監査や決算支援業務の一環として、経理コンサルティングを提供しています。特に、内部統制の構築や、会計基準への対応といった、専門性の高い領域に強みを持ちます。 

依頼先B税理士事務所

税務の専門家である税理士事務所も、顧問契約の範囲内で、経理業務に関するアドバイスを行ってくれる場合があります。
特に、税務と密接に関連する、経理フローの適正化や、インボイス制度への対応などについての相談に適しています。 

依頼先C経理代行会社

経理業務のアウトソーシング(代行)を専門とする会社です。日々の記帳代行や、請求書発行、給与計算といった実務を請け負う中で、その業務プロセス全体の効率化に関する、実践的なコンサルティングも提供します。実務とコンサルティングの両面から、ワンストップでサポートできるのが、最大の強みです。 

経理業務で困っていませんか?

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即日対応可能で幅広い業務領域のRSTANDARDにぜひご相談ください。

依頼先Dフリーランスの経理コンサルタント

コンサルティングファームや、事業会社の経理部門で豊富な経験を積んだ、フリーランスのコンサルタントに、個人として依頼する方法です。特定の分野に高い専門性を持っていたり、比較的柔軟な契約形態で、リーズナブルな費用で依頼できたりする場合があります。

経理コンサルタントの費用相場

経理コンサルタントに依頼する際の費用は、依頼先の種類や、プロジェクトの規模、期間によって、大きく変動します。

一般的な費用形態としては、月々の定額を支払う「顧問契約」と、特定のプロジェクトごとに契約を結ぶ「プロジェクト契約」があります。 顧問契約の場合、その費用相場は、月額5万円程度から、大手のコンサルティングファームになれば月額100万円以上になることもあります。
企業の規模や、求めるサポートのレベルによって、大きく変わってきます。 プロジェクト契約の場合は、業務プロセスの改善提案で30万円から、システムの導入支援となると数百万円単位の費用がかかることもあります。
まずは、複数の依頼先候補から、現状の課題と予算感を伝えた上で、見積もりを取り、その提案内容と費用を比較検討することが重要です。

経理のアウトソーシングならRSTANDARDにお任せ

ここまで、経理コンサルタントの役割や、依頼先について解説してきましたが、特に、「日々の経理業務を回す人材そのものが足りない」「経理担当者が退職してしまい、業務が止まってしまう」といった、より深刻な課題をお持ちの企業様にとっては、コンサルティングだけでなく、経理業務そのものを、外部の専門家に任せてしまう「アウトソーシング」が、最も直接的で、効果的な解決策となります。

私たちRSTANDARDは、経理業務のアウトソーシングを専門とし、数多くの企業様のバックオフィス業務を支えてきた、プロフェッショナル集団です。 日々の記帳代行から、請求書発行、入金管理、月次決算、そして給与計算まで、貴社の経理部門が担う、あらゆる業務を、丸ごと、あるいは必要な部分だけ、柔軟に代行することが可能です。
私たちは、単に言われた作業をこなすだけではありません。貴社の業務プロセスに入り込み、その中で見つけた非効率な部分や、改善点を、プロの視点から積極的にご提案します。つまり、実務の代行と、経理コンサルティングを、同時に提供できるのが、私たちの最大の強みです。

RSTANDARDの経理アウトソーシングを活用した成功事例

実際に、私たちのサービスをご活用いただいた企業様が、どのように課題を解決し、成功を収められたのか、その事例の一部をご紹介します。

事例@業務プロセスの向上を実現

ある成長中のIT企業様では、事業の拡大に伴い、請求書の件数が急増し、経理担当者1名での手作業による管理に限界が生じていました。請求ミスや、入金確認の遅れが頻発し、キャッシュフローの悪化が懸念されていました。 そこで、弊社の経理アウトソーシングを導入。まず、クラウド型の請求書発行システムを導入し、請求書の発行から送付までを自動化しました。さらに、銀行口座とシステムを連携させ、入金消込作業も自動化。これにより、経理担当者は、毎月数日かかっていた定型作業から解放され、月次決算の早期化と、財務分析といった、より付加価値の高い業務に、集中できるようになりました。 

事例Aコスト削減に成功

ある中小の製造業様では、長年勤めていたベテランの経理部長が、定年退職。後任の採用が難航し、経理業務が滞る危機にありました。新たに正社員を採用する場合、給与や社会保険料など、年間で数百万円のコストがかかることが予想されていました。 そこで、当社のサービスをご利用いただき、経理業務全体をアウトソーシング。結果として、新たに正社員を一人雇用するよりも、年間で200万円以上のコスト削減に成功しました。さらに、専門家による、正確でスピーディーな業務遂行により、経営者は、安心して本業である、製品開発や営業活動に、専念することができるようになったのです。

経理コンサルタントは企業の守りと攻めのどちらをも支える存在

今回は、企業の成長を陰で支える「経理コンサルタント」について、その役割から、具体的なサービス内容、そして依頼先の選び方まで、網羅的に解説しました。

経理業務の効率化は、もはや、守りのコスト削減策ではありません。それは、企業の限られたリソースを、最も価値のあるコア業務へと再配分し、持続的な成長を可能にするための、攻めの経営戦略です。

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