売掛金の回収は、会社運営にとって重要業務のひとつです。
回収作業がうまく進まなければ、利益が出ていても資金繰りが悪化し経営に影響を及ぼし、黒字倒産という結果を招いてしまう可能性もあります。
そんなとき利用したいのが、売掛金の回収代行です。
回収代行を利用することで、売掛金回収にかかる手間や時間を省略して業務効率化につなげることができ、さらに未回収リスクを回避することも可能です。
売掛金回収がうまく進んでいない売掛金回収のノウハウがない企業など、代行サービスを検討している方のために、売掛金の回収代行とはどのようなことをするのか、流れやメリット、注意点などを解説します。
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売掛金とは、商品の販売やサービスの提供などで売り上げが発生しているのに未回収状態の代金のことです。
この未回収分の代金を請求する権利を売上債権と呼びます。
企業間において、取引を行うたびに代金の支払いをしていたら、取引回数が多ければ多いほど事務手続きや金銭管理の業務が発生し手間が増え、ミスをするリスクも高まってしまいます。
そこで、業務の効率化を図るためにビジネスにおいては商品やサービスの提供ごとに支払いをするのではなく、一定期間の売り上げをまとめて請求し、後から回収する方法が主流です。
この取引方法は、請求先が支払わないかもしれないというリスクがあり、お互いの信頼関係で成り立つため、信用取引と言います。
取引先が信用に値する企業であるか適切に判断し、定期的に見直すことを与信管理といい、これも売掛金を用いて資金運用する上で重要な業務のひとつです。
売掛金の回収は、請求書の発行、入金の確認などの業務があり、入金が確認できなければ取引先へ連絡をして、場合によっては入金を催促しなければいけないこともあります。
回収業務は、スピードや正確性が求められ、さらに未回収分の対応は心理的な疲労を伴うこともあり簡単な業務ではありません。
この売掛金回収業務をすべて代行してくれるのが、回収代行サービスです。
売掛金の回収代行を行っている業者は、法律事務所、債券外周会社、ファクタリング会社などいろいろあります。
一般的に、売掛金の回収代行サービスとして知られているのは、ファクタリング会社が未回収リスクを担保する回収保証型のファクタリングです。
ファクタリングとは、簡単に説明すると、売掛債権を買い取るサービスのことです。
1900年代初頭に欧米で誕生したと言われており、日本では1970年代に登場しました。
当時の日本では、約束手形が主流となっておりあまり浸透しませんでしたが、最近では多くの企業が債券リスクの重要性に着目しはじめ、徐々に浸透しつつあります。
ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらった企業は、手数料を引いた金額が手元に残り、資金繰りに苦労することなく計画通りの運用ができるのです。
ファクタリングは、大きくわけると、債権買取型と回収保証型の2種類あり、このうち回収保証型のファクタリングが売掛金の回収代行サービスに該当します。
回収保証型のファクタリングは、債権を買い取るのではなく、売掛債権の未回収リスクに備える担保です。
利用する企業は取引先リストをファクタリング会社に渡し、ファクタリング会社はその情報をもとに与信調査を行い、信用度を評価し、取引可能な限度額を決定します。
企業はその限度額内で取引を行い、発生した売掛債権はファクタリング会社が管理し、回収業務を行います。
未回収が発生したときには、あらかじめ規定された利率に応じて、未回収分をファクタリング会社が保証してくれるというものです。
万が一、取引先が倒産などによって売掛債権が支払えないという事態になっても、ファクタリング会社から支払いを受けることが可能です。
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売掛金回収の流れは、そのときの状況や依頼先によって変わってきます。
ここでは一般的な流れを解説します。
売掛金の請求は、多くの場合1ヶ月分の取引をまとめて行います。
金額が確定したら請求書を作成し、取引先へ送付。
支払期日になったら、入金の確認をします。
請求した金額と入金額が一致しているかきちんと確認することが重要です。
期日までに入金がない、請求額と入金額が一致しない場合は、取引先へ連絡する必要があります。
取引先のミスということも考えられるので、まずはメールや電話で催促の連絡をします。
資金繰りにも影響してくるため、予定通りの入金がなかった場合には、スピーディーに対応しなければいけません。
取引先にも、早急に入金するよう依頼しましょう。
電話やメールで取引先が支払いに応じなければ、次の策をとらなければいけません。
債権内容や通知の経緯などを記載した催告書を作成し、内容証明で送付します。
内容証明での送付は簡単に行える上、公的な記録として保管でき、裁判になったときには証拠として提出できるため、ある程度の効果を期待することが可能です。
催告書は必ず内容証明で送付しましょう。
それでも支払いがない場合は、法的手段をとることになります。
民事訴訟を起こせば確実ですが、費用や時間を要すため、手続きを簡略化することができる支払い督促が多くなっています。
債権者の申し立てで始めることができ、裁判所への出廷や証拠提出が不要なため、訴訟に比べ費用や時間を抑えることが可能です。
債務者から異議申し立てをされた場合には、訴訟の手続きを行うことになります。
訴訟となると、第一審で確定判決を得ることはあまりなく、多くの場合仮執行宣言付判決を取得することとなるでしょう。
仮執行宣言付判決には債務名義の効力があるため、強制執行の申し立てを行えます。
このように、入金がスムーズにいかず催促ともなると、甚大な労力が必要です。
これに加え、与信管理という重要な業務もあります。
この流れが毎月あるわけではありませんが、ひとことで売掛金の回収と言っても、業務内容は多岐にわたり大変な業務なのです。
次に、売掛金の回収代行をした場合のメリットやデメリットを紹介します。
メリットがある反面、デメリットもしっかりと理解しておくことも大切です。
売掛金の回収代行のメリットはいろいろあります。
回収代行の一番のメリットは、未回収リスクの軽減です。
信用取引はビジネスにおいて一般的な取引方法ですが、未回収による経営の悪化というリスクは常に隣合わせにあります。
取引先が大企業だったり、しっかり与信調査をしていたりしても、何がきっかけで倒産するかわからない時代です。
回収代行を利用すれば、未回収リスクが軽減され計画通りの資金繰りも可能になり、安定した経営につながります。
また、負担の多い請求業務から解放されるのもメリットのひとつ。
請求業務は、請求書の発行、入金確認、未入金の際の催促など手間と時間がかかり、正確性とスピードが重要な業務です。
さらに、手作業で行うためミスが発生しやすかったり、入金が確認できない取引先へは交渉したり督促状を発行したりと、心理的な負担もかかることが多いです。
この請求業務に回収代行を利用すれば、時間や手間が省け、心理的負担も軽減できます。
また、回収代行では、債券関連の法律にも詳しいため、トラブル回避につなげることも可能です。
信用取引において重要な業務のひとつに与信管理が挙げられます。
信用度の低い企業には、リスクを伴う売掛金によって商品やサービスの提供をすることはできません。
信用があるかどうかしっかり見極めるには、与信管理業務がとても重要です。
既存の取引先は定期的に情報を精査し信用性を評価します。
新規の取引先は情報を集めて信用取引が可能な企業かどうか、しっかり調査しなければいけません。
回収代行では、この与信管理まで担ってくれるので業務効率化が可能となり、与信管理を担当していた社員は本業に集中することができるようになります。
売掛金回収のデメリットは、回収代行に依頼することで発生する手数料がかかることです。
他者に請け負ってもらうわけですから、その分費用が発生するのは仕方のないことでしょう。
売掛金の回収は、自社でもできる業務ではありますが、手間や時間、心理的負担の多い業務です。
会社によっては、経理だけでなく、営業や総務が掛け持ちで売掛金回収業務を行っているところもあるかもしれません。
回収代行を利用することで、本業に集中でき生産性が向上すれば、手数料の発生もあまり気にならないかもしれませんね。
では、どのような場合に売掛金の回収代行を利用するべきなのでしょうか。
自社が回収代行するべきかどうか迷っている方は、次にあげる点が自社に当てはまっているかどうかチェックしてみてください。
信用取引は、まずは与信管理から始まります。
新規取引先においては信用力の評価に基づき限度額の設定、既存の取引先においては定期的に情報を精査し信用度の確認など、一言で与信管理と言っても内容は多岐にわたり大変な業務です。
この与信管理がきちんとできていないと、未入金の売掛金が回収できずに資金繰りが悪化し、最悪の場合黒字倒産してしまうケースもあります。
また、未回収の売掛金の催促も、ノウハウがなければ回収不能といった事態を招きかねません。
中小企業など、売掛金の回収業務を行う環境がうまく整っていない場合、回収代行を利用したほうが、安全で効率的に売掛金の回収を行うことができます。
社内の人手不足などで、与信管理を含む売掛金の回収業務を経理ではなく総務や営業が担当しているという企業も、とくに中小企業などでは少なくないでしょう。
与信管理は、定期的な精査が重要な業務ですが、人手不足からあいまいな基準によって評価したり、少ない情報で判断したりなど、きちんとした与信管理が行われていないと、未回収による資金繰りの悪化という事態を招いてしまう可能性もあります。
人手不足できちんとした回収業務ができていない場合は、費用が発生したとしても、与信管理まで行ってくれる回収代行を利用したほうが安心です。
取引先が増えると、その分売掛金の回収業務は大変になり、管理が不十分だと資金繰りも悪化してしまいます。
売掛金の回収代行は、未回収のリスクを回避でき、売掛債権の支払いは保証されています。
売掛債権にまつわるトラブルを避けることもでき、安定したキャッシュフローを目指したい場合には有効的な手段のひとつです。
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最後に、売掛金を代行するときの注意点を解説します。
売掛金の回収代行は、さまざまな会社がサービス提供しており、自社に適しているかどうかしっかりと内容を確認して納得した上で選択することが重要です。
回収代行を利用する際には、何を求めているかきちんと明確にしておきましょう。
それぞれの会社によって得意としているサービスがあるので、自社のニーズと合っているかどうかは重要なチェックポイントです。
回収業務全般を代行してほしいときには、与信管理も含めた回収業務を代行してくれるサービス、未回収のリスクの軽減を一番重要としているときにはしっかり保証のあるサービスなど、自社の状況をきちんと把握して適したサービスを選びましょう。
回収代行を利用する上で注意したいのが、手数料についてです。
固定金額制か、変動金額制か、任せる業務内容によって金額は変わってきますので、自社の予算内に収まっているかどうかしっかり確認することが大切です。
こちらの記事では請求書代行のサービス内容やメリット・デメリットついてご紹介します。
「請求書を発行する」とひと口で言っても、たくさんの作業が詰まっています。
請求書の作成から始まり、顧客の住所や宛名を印刷し、封筒に入れ、郵送する。
一連の作業には時間がかかり、本業の合間におこなうのも大変です。
できるなら簡潔に済ませたいですが、データや宛名などミスできないポイントも多いので、なかなか難しいのではないでしょうか。
そんな悩みの解決に、請求書代行サービスを検討してみるのもおすすめです。
請求書代行について検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで売掛金の回収代行についてご理解いただけたと思います。
専門知識やノウハウ持った外部リソースを有効に使うことで、短時間で多くの業務を効率よくこなすことが期待できます。
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