経理の仕事がなくなる可能性とAIに取って代わられる経理業務

近年はさまざまな技術が進化していて、特に注目したいのが、AIの技術です。経理の仕事をしている方の中には、将来的に経理の仕事もAIに取って代わられるのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで、経理の仕事がなくなるのか心配している方のため、仕事の将来性と、なくなる可能性が考えられる経理業務について紹介します。この記事を読むことによって経理の仕事がこの先どうなっていくのかわかるので、参考にしてください。

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経理業務とは

会社を経営するにあたり、経理業務は欠かせないものです。そもそも経理業務がどういったものなのかよくわからない方のため、経理の業務内容と、経理業務の必要性から解説します。

経理の業務内容

経理が行う主な業務内容は、企業におけるお金の管理です。
多くの企業では、仕入れや販売、経費の支払いなどを行っていますが、それらのやりとりについて正しく理解しておかなければなりません。曖昧になったり、間違ったりすると会社の損失につながってしまう恐れもあります。

経理は、日々の売上や仕入れの管理、給与や保険の管理・計算のほか、税金の計算、計算書の作成など、さまざまな業務を担当することになります。
ただ、経理がどのような業務に携わるのかについては、職場による違いも大きいです。転職をしたところ、前の職場とは全く違う業務を担当することになったといったケースもあります。

経理業務の必要性

経理の業務内容を見ても分かる通り、欠かせないものばかりです。そのため、企業において経理業務は非常に必要性が高いといえます。
経理は、企業においてお金の流れを管理する役割を持つ仕事です。貸借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書といったものを作成するのも経理です。

経理が作成する書類を参考にして経営判断が行われることになります。そのため、必要な計算書などを正しく作成し、管理することは健全な会社経営のためにも欠かせません。

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経理業務は将来なくなるのか?

現在人が行っている仕事の中には、将来的になくなっていくとされているものが多くあります。これから経理の仕事をしたい方や、現在経理の仕事をしている方で将来性が気になっている方のため、将来的にも求められる仕事なのか解説します。

業務作業はなくならない

結論から言うと、経理業務の中でも将来的になくなるもの、なくならないものがあります。
なくならないものとして挙げられるのが、業務作業です。

会社の資金分析や将来的な資金関連の予測、現状や将来のことを踏まえた事業計画の考案などはなくならないと考えられています。
他にも、自動化させるのが難しいような処理業務もなくなる可能性は低いです。手作業での処理をしなければならない作業は将来的に考えてなくならないといえます。

関連記事>>経理DXの基本やメリット、導入する際の注意点などを解説

AIロボットによる代替

将来なくなる可能性が高いものとして、AIロボットなどによる代替が効く作業が挙げられます。人間が行う必要がないものはAIロボットに任せることにより、事業の効率化にもつながるでしょう。
特に代表的なのが、現在は経理事務員が担当しているような入力のサポート業務などです。

これらの業務の中にはAIロボットで自動化できるものが多いことに加え、AIロボットを活用することによって入力ミスを防ぐことにもつながります。
AIロボットは日々進化しており、業務で活用する企業も増えてきました。ロボットということもあり、長時間業務による疲労で入力効率が落ちるようなこともありません。

AIロボットの中には、これまで人間が行っていた一連の作業を自動化して行えるものもあります。
例えば、資材を購入して支払いを行う場合に、請求書データを取り込んだり、発注データと突き合わせて確認したりする作業が必要です。
さらには、正しい金額での支払い、購入先への通知などが必要となりますが、これらの業務はすべてAIロボットに任せられます。AIロボットによる代替ができそうな仕事については将来的になくなる可能性が高いです。

将来なくなる経理業務

将来なくなる可能性が高い経理業務について軽く触れましたが、さらに詳しく解説していきます。
なくなる可能性が高い経理業務として挙げられるのが、仕訳の手入力、経費精算、連結決算の3つです。

仕訳の手入力

経理が行う業務の中には昔から手入力で行われてきたものが多いといえます。
そのうち、仕訳の手入力については自動化が可能です。自動化するのに必要なものは、電子化されたデータです。
AIを活用して電子化された文字を読み取り、日ごとに整理をしながら入金伝票や出金伝票といったものの入力ができます。

手入力は人間が行う以上、どうしてもミスが発生しやすいポイントです。電子化してAIに任せれば業務効率が良くなるだけではなく、データ紛失のリスクも抑えられます。

関連記事:経理の仕訳とはどんな業務?勘定科目の分類や仕訳の書き方・注意点

経費精算

時間と手間がかかるのに直接売上に結びつかない経費精算の作業も、将来的になくなる可能性が高いです。
例えば、現状で交通費の申請書を受け取った場合に、移動手段やルートが適当か、金額は合っているかなどを確認しなければなりません。

ですが、交通費の情報を交通系ICカードと連携させるなどの対応をとることによって、申請や承認に関する手間が省けるようになります。きちんと管理されるため、社員による経費の不正利用防止にも繋がるポイントです。

連結決算

連結決算も経理担当が行う仕事ではなくなる可能性があります。連結決算は、企業グループ全体として行う決算のことです。連結決算を行っている会社の中には、エクセルなどでデータを管理し、入力しているところもあります。
ですが、入力漏れやミスがあれば、スムーズに行えません。手作業で行っている連結決算業務を自動化して効率化に繋がるシステムを導入すれば、大変な作業を行う必要がなくなります。入力漏れ・ミスを防ぐことも可能です。

関連記事>>連結決算とは・作成の手順や注意点

AI化しても必要な経理業務

経理が行う業務の中には、今後なくなる可能性が低い仕事も多くあります。つまり、AIに任せることができず、手作業で人間が担当しなければならない部分です。
なくなる可能性が低い業務として、以下のようなものが挙げられます。

イレギュラーな業務

イレギュラーな業務はAIに任せにくい仕事といえます。また、突発的なイレギュラーにシステムを対応させるよりも、人の手で対応した方が早いケースが多いです。
そのため、AIでは判断が難しいようなイレギュラーな処理については、今後も人間が対応する形となるでしょう。

言い換えれば、AIで対応が難しいイレギュラーな業務に対応できる方でなければ、経理の世界で生き残っていくのは難しいといえます。
なお、将来的にさらに技術が進化し、突発的でイレギュラーな業務にもAIが対応できるようになる可能性はゼロとはいえません。ですが、完璧な対応ができるようになるまでにはまだ時間がかかりそうです。
多くのイレギュラーを学習機能で蓄積して対応できるようになれば、自動化されていく可能性もあります。

資金繰り管理

資金繰り管理はAIに任せにくい業務です。企業の中には財務担当者が資金繰りを担当しているケースもありますが、中には、経理が財務担当を兼ねているようなケースもあるでしょう。
資金繰り表を自動化したり、資金繰りに必要となるような明細などを自動化したりすることは不可能ではありません。

ですが、その時に必要となる資金繰りについては会社の状況などもあわせて考えて行かなければならないため、AIに取って代わられる可能性は低いです。

予算と実績の分析

予算と実績の分析をすべて自動化するのは難しいケースがあります。
AIなどを活用し、予算を編成したり、管理したりすることは可能です。各種データ収集を自動化したり、入力の手間を削減したりすることは不可能ではありません。
ですが、予想と実績が異なっていた場合、その原因についてすべてAIに分析させるのは難しいといえます。予想よりも売れた商品や売れなかった商品などについて正確に分析できる力があると、AIが活躍する時代になっても経理として求められる存在になれるはずです。

経営者の判断や提案

経理は会社のお金を管理する重要な仕事であるため、日々の業務で得た内容を元にして経営者に提案ができます。経営者から経営判断などについて相談された際にも、具体的な数字を参考にどの程度の利益が見込めるのかなどを伝えられるのが強みです。
もちろん、AIなどによる分析結果から経営者が独自に判断することもありますが、経営者から信頼できる経理になれれば、意見を求められることも多いです。

税務関係の知識

税務会計処理などについては、自動化することも不可能ではありません。自動化できるところはした方が教務の効率化にもつながるでしょう。
ですが、例えば節税に取り組みたいと考えた場合、単純な計算ではなく、さまざまが工夫なども求められることになります。
法人企業の場合、法人税控除に繋がるような制度も多いので、こういった税務関係の知識を持って経営者にアドバイスする業務はなくならないといえます。

作業の最終確認

やはり最終的な確認作業は人の目、手で行った方が安心と考える方が多いでしょう。
AIの計算が合っていたとしても、計算に必要な情報を間違って入力してしまう可能性もゼロではありません。
そのため、業務の中にはAIなどを使用して自動化することが増えたとしても、最終確認は経理担当者が行うこともあります。

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経理で成長するためのポイント

これから業務の自動化は進んでいきますが、将来的に求められる経理になるためには、成長し続けていくことが重要です。
そこで、経理担当として成長するためのポイントについて4つ解説します。

会計の知識を身に付ける

現在、自身に会計の知識が足りないと感じているのであれば、会計について学ぶことから始めるのがおすすめです。経理が担当する業務内容の一つとして挙げられるのが、会計処理です。
会計に関する深い知識を持っていなくても日常業務がこなせることも多いといえます。

職場によって、簿記や会計の知識が必須とされない場合もありますが、やはり知識がある方の方が仕事の理解力が高いです。
「経理として問題なく働けるか」と「本当に求められる経理になれるか」では違いがあるので、知識を身につけて上を目指しましょう。

関連記事>>会計業務とは?経理や財務の仕事内容と効率化のポイント

ITスキルを身に付ける

経理の業務を行う上で欠かせないのが、ITに関するスキルです。ITを理解し、適切に活用できるようになれば、業務を効率化し、日々の負担を減らすことにもつながります。
反対に、ITスキルが不足していると会計ソフトを使いこなせないなどの理由から業務進行に支障が出てしまう可能性も高いです。

業務の中では学べないようなこともたくさんあるので、自ら進んで知識を身につけていくための努力をすることが求められます。

財務の知識を身につける

財務の知識を身につけることによって、経理に求められる基礎知識の向上につながります。
財務は、経理によって数値化された資料を参考にして資金調達やお金の管理を行うのが仕事です。

特に重要なのが、未来のお金の管理だといえます。これは、会社のお金を管理する経理にとっても役立つ知識です。企業によって経理が財務の仕事を兼任することもあるため、財務について学んでおくことをおすすめします。

コミュニケーション能力を高める

一見経理の仕事とは関係ないのではないかと感じるかもしれませんが、コミュニケーション能力を高めることが重要です。
業務の中で算出した数字などをわかりやすく伝えるのも経理の仕事といえます。この時、コミュニケーション能力がない方だと要点がまとめられなかったり、うまく伝えられなかったりして相手を困らせてしまう可能性も高いです。
コミュニケーション能力を高める工夫をしておきましょう。

自分自身で努力していくことが重要

将来的に経理の仕事がなくなるのかについて解説しました。
今後なくなる可能性がある経理の仕事と、引き続きAIではなく経理担当が行うことになる仕事などについてご理解いただけたかと思います。

AIに移行していく仕事も少なからずありますが、まだまだ人の手で行わなければならないことは多く、経理は将来性のある仕事です。AIが活躍する時代に求められる経理担当になるためには、自ら率先して知識と経験を積んでいくことが重要だといえます。

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