社内のお金の流れを管理・記録する経理業務は、どの企業にも欠かすことのできない重要な仕事です。売上や給与の管理、今後の経営判断に必要な資料の作成など、さまざまな業務があります。
経理が作成する書類の多くは、法律により保管期間が定められています。しかし、日々増えていく書類を適切に管理し、保存することは、決して容易ではないかもしれません。
今回は、経理が作成する書類の概要や保存期間、おすすめの保存方法について詳しくご紹介します。経理書類の保管でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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経理では、他部署や取引先からの要請を受けて請求書や領収書を作成するほか、経営判断に必要な決算資料など、お金にまつわるあらゆる書類を作成し、発行します。まずは、経理で業務を行う上で知っておきたい「証憑書類」と「帳票」、それぞれの用語についてみていきましょう。
「証憑(しょうひょう)書類」とは、何らかの取引があったことを立証する書類のことです。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、「証憑」は「事実を証明するよりどころ」という意味を持つ言葉です。
社外との取引だけではなく、給与の支払いなど、社内での取引も含まれます。証憑書類があることで、その契約・やり取りが口約束で行われたものではないと証明できます。正確性・真実性の高い重要な記録ですので、法律により保管義務が定められています。
では、どのようなものが証憑書類に当たるのでしょうか。今回は3つのカテゴリに分けて、具体例をご紹介します。
【売上・仕入れに関する書類】
【雇用・給与に関する書類】
【契約に関する書類・その他証憑】
「帳票」とは、企業の経営活動の記録となるさまざまな書類の総称で、「帳簿」と「伝票」を組み合わせた言葉です。「帳票」というグループの中に「帳簿」「伝票」「証憑書類」が含まれているようなイメージです。
帳簿は取引そのものの記録を、伝票は取引によるお金の動きを記録する役割があります。それぞれの種類や例をチェックしておきましょう。
【帳簿の種類】
【伝票の種類】
経理書類の保管義務を怠り、書類を処分してしまった場合でも、税法上の罰則規定はありません。一方、会社法には罰則規定がありますが、過料が科せられるケースはほとんどないと言えるでしょう。
しかし、税務調査で保管義務違反が判明した場合、青色申告の取り消しや推計課税などによって、金銭的に不利益を被る可能性があります。このようなケースを回避するためにも、ルールに則った書類の保管が求められます。
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まずは、保管が求められる経理書類の保存ルールをご紹介します。従来は紙ベースでの保存が一般的でしたが、近年はペーパーレス化の推進・社会のデジタル化、テレワークの浸透などの流れを受けて、電子データでの保存が認められるケースも増えてきました。
2022年1月の「電子帳簿保存法」の改正では、電子データによる保存要件が大きく変更され、ルールが一部緩和されました。その一方で、罰則規定を強化した面もあるため、最新の法律をインプットしておくことが大切です。
紙ベースで発行された書類は、紙のまま保存することができます。2022年の法改正により、スキャナ保存の手続きが緩和されたことから、紙の書類を電子データで保存する方法も選択しやすくなりました。
ポイントは、取引先から請求書・領収書を受け取る場合、紙のこともあれば、電子データのケースもあるという点です。保管場所が分散する可能性がありますので注意しましょう。
また、従来は電子メールなどで送られてきた書類をプリントアウトし、紙ベースで保管することも可能でしたが、2022年の法改正でこの保管方法は認められなくなりました。
「電磁的記録」とは、「電子データ」や「マイクロフィルム」を用いた保存方法の総称です。
電子データでの保存とは、紙を使わず記録する方法で、CDやDVDのほか、サーバなどにデータを残します。ただし、データが改ざんされないよう適切な対策をとっていること、保存したデータを検索できる仕組みを整えていることなど、一定の要件を満たさなければなりません。
「電子帳簿保存」「スキャナ保存」は、法改正により要件が緩和され、税務署長の事前承認が不要となりました。ただし、データを隠蔽するなどして申告を行わなかった場合の罰則規定は強化されています。
一方のマイクロフィルムでの保存とは、「マイクロフィルム(COM)」と呼ばれる写真フィルムを使った記録方法のことです。耐久性があり、長期保管すべき重要な書類の記録に活用されることがあります。
電子データによる保存も認められてきたとはいえ、社内には紙ベースの経理書類も多くあることでしょう。むやみに破棄しないことも重要ですが、整理せず放置しているとどんどんスペースを圧迫してしまいます。
ここからは、経理書類の種類と保管期間、おすすめの保存方法をご紹介します。不要になった書類を適切なタイミングで処分することで、書類の管理がよりスムーズになるでしょう。
法律による定めではありませんが、文書の性質を考慮すると、永久保管が望ましい書類がいくつかあります。一律の決まりがないため、どのような書類を永久保管のものとして取り扱うかは、企業によって多少異なります。
永久保管する書類については、専用のファイルを作り、決算期などに関わらずその都度ファイリングしていきましょう。保管場所は、取り出しが容易にできない鍵付きの棚などがおすすめです。
一般的に、永久保管が推奨される書類には、以下のようなものがあります。
【永久保管が望ましい書類】
会社法により、決算書類などの重要会計書類は10年保管が定められています。決算日を基準とし、年度ごとにファイルを作成。必要に応じて分類し、ファイリングしていくとよいでしょう。以下に書類の例をご紹介します。
【作成日から10年保管】
【決算の締切日から10年保管】
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決算書類の中で、10年保管に該当しない場合、法人税法により7年保管が義務付けられていることがあります。決算書類だけでなく、労務関係の申告書や課税取引に関する帳簿なども該当します。まずは、代表的な書類をチェックしていきましょう。
【7年保管の書類例】
このように、7年保管の書類は多岐にわたるため、それぞれきちんと整理して保管することが大切です。月別・日付ごとに分けるだけではなく、取引先別、金融機関別など、細かく分類してわかりやすくファイリングしましょう。
従業員の給与に関する書類は、その種類によって保管期間が異なります。また、個人情報であるため慎重な管理が求められます。セキュリティを徹底し、鍵付きの棚に保管するなどして対応しましょう。
従業員が多い場合は、一人ずつファイリングし、在職中と退職者に分けて保管するとよいでしょう。反対に、従業員がそれほど多くない場合は、書類の種類ごとにファイリングし、不要になったもののみ抜き取って破棄すると、管理しやすくなります。
法律により、保管が定められている給与関係書類には、以下のようなものがあります。
【保管が必要な書類の例】
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経理書類の種類や保管期間、保存方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。経理が取り扱う書類は重要かつ種類も多い上、それらは法律によって一定の保管期間が定められています。
また、電子データによる保存も普及しつつあり、経理書類の取り扱い方法はますます複雑化していると言えます。セキュリティ管理を意識し、適切な保管を心がけましょう。
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