
派遣社員として働く中で、「先輩の派遣社員」が「新人の派遣社員を教育する」という場面はよくあります。しかし、「教育」と「管理」には明確な違いがあり、場合によっては法律違反となることもあります。本コラムでは、労働者派遣法をもとに、この違いについて解説します。
法律上、教育(業務指導)はOKです。
派遣社員が新人派遣社員に対して業務の流れや作業手順を教えることは、 業務上の必要な情報を共有する行為にすぎず、業務の一環として行われるものとなり、労働者派遣法で禁止されている「指揮命令」には該当しません。
経理部に配属された新人派遣社員が、仕訳入力の方法に戸惑っていました。そこで、先輩派遣社員がマニュアルを見せながら、作業の流れや注意点を説明しました。これは、法的に問題ありません。
法律上、管理業務は派遣社員に認められていません。
派遣社員が他の派遣社員に対して、業務の指示や進捗管理を行うことは「指揮命令」に該当し、労働者派遣法に違反する可能性があります。
ある派遣社員が、新人派遣社員に対して「今日中にこの10件を終わらせて」と指示をしました。この発言は「教育」ではなく、「業務の管理」に該当するため、本来は派遣先の社員が行うべき業務になります。これは法的にNGになります。
このように、派遣社員が他の派遣社員を管理することは、労働者派遣法および労働基準法の規定に違反する可能性があるため注意が必要です。
派遣社員同士の関係において、「指導」と「命令」の違いを意識することも重要です。
指導(OKなケース)
命令(NGなケース)
指導は相手の成長を助けるためのアドバイスですが、命令は「業務の管理」に近いため、派遣社員同士では行わないよう注意が必要です。
派遣社員が派遣社員を教育することは、業務の一環として認められています。しかし、管理業務に該当する行為は派遣社員には認められていません。
業務マニュアルの説明、作業のアドバイス(労働者派遣法に違反しない)
業務の指示・割り振り、進捗の管理、勤務態度の評価(労働者派遣法 第44条に違反の可能性)
「こうすると効率的」「ここに注意したほうがいい」(法的に問題なし)
「このやり方でやれ」「これを今日中に終わらせろ」(指揮命令に該当するため違法)
企業として、派遣社員の教育と管理を適切に運用するために、以下のポイントを意識することが重要です。
派遣社員が派遣社員を教育することは問題ありませんが、管理業務を行うことは法律違反となる可能性があります。企業として適切な指導と管理体制を整え、派遣社員が安心して働ける環境を構築することが重要です。
企業としても、労働者派遣法の遵守を徹底しながら、派遣社員の成長をサポートする仕組みを作っていきましょう。
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