派遣スタッフから経理部長になるにはどうしたら良いのでしょうか。また、可能なのでしょうか。
派遣社員から経理部長に社員登用された経験のある筆者が、「派遣スタッフから経理部長になる一番の近道」について解説します。
派遣スタッフから経理部長を目指すなんてとても難しいと思っていませんか。
意外と思うかもしれませんが、本気で経理部長を目指すなら正社員の経理スタッフから経理部長を目指すより、派遣社員から経理部長を目指した方が容易に経理部長になれるという話をしたいと思います。
世界の多くの国では、自分のスキルを活かしてより高い収入やより良い待遇が得られる職につきたい場合や、自分自身の価値を高めるためにスキルを身につけたい場合などは、転職してキャリアアップするのが一般的です。つまり世界ではスキル重視となっています。一方、日本では、未だ学歴や転職回数で評価されることが多く、スキルの中身が軽視されがちです。
日本で経理職のキャリアを積む最善の方法とは何でしょうか。1つの会社で長年勤めることがキャリアアップにつながるかというと、結論から言うと「NO」となります。
何故ならば、たった1社の経理経験では経験範囲も狭くキャリアとしては不十分と言えるからです。経理職のキャリアを積むには、実践経験を多く積むことが一番です。実践経験を多く積むには、一般的には転職となりますが、日本では未だ転職の多い方を敬遠する傾向にあります。また、転職して希望のキャリアを積める仕事を割り当てられるかというと難しいケースも多く見られます。一方、派遣は、業務の範囲を合意してから業務を開始できること、業務を習熟したら短サイクルで次の派遣先を選択できることなどから、実践経験を多く積めてスピーディにキャリアアップが図れるメリットがあります。
派遣スタッフから経理部長になれるの?という問いには、「YES」と答えます。そこで派遣スタッフから経理部長になる一番の近道をご紹介します。
例えば派遣で3年間6社経験するとします。ここで大事なポイントは、経理部長になるためのストーリをもって業務に臨むかどうかです。そこで、ストーリの一例をご紹介します。
この例では、1社ごとにスキルを伸ばすために経験範囲を定め、6社目で経理部長スキルを身に付けていくストーリーです。
<経理部長へのストーリー>
派遣1社目 6ヶ月間 仕訳・経費精算などの日次業務
派遣2社目 6ヶ月間 仕訳・経費精算などの日次業務と月次補助
派遣3社目 6ヶ月間 仕訳・経費精算などの日次業務と月次決算
派遣4社目 6ヶ月間 月次決算・年次決算補助
派遣5社目 6ヶ月間 月次決算・年次決算・開示書類作成補助
派遣6社目 6ヶ月間 月次決算・年次決算・開示書類作成
派遣でキャリアを積んでいった場合に、いつ正社員になったら良いのでしょうか。おすすめは、経理部長スキルを身に付けた後に正社員になることです。なぜなら、早い段階で正社員になった場合、スタッフとして経理の一員になっても、そこから経理部長になるのは容易でないからです。この場合、正社員になってから経理部長になるスキルが積めない可能性やポジションが空かない可能性があります。派遣でしっかり経理部長スキルを身に付けてから経理部長ポジションでオファーされる方がベストと言えます。
派遣スタッフから経理部長になるためのコツをご紹介します。コツはたった1つです。
「次の派遣先に行く前に業務範囲の知識を予習しておく」だけです。
現代では、派遣先で必要な業務スキルを持ち合わせている人材が見つからないと言われています。つまり、派遣先で必要なスキルを予習しおくだけでも、必要な人材として就業機会を得られる可能性が高まっています。
計画的にスキルアップすることで、経理部長になれる日は意外に近いかもしれません。