経理の派遣スタッフが身に付けるべき5つスキルとは?

経理のスキルってどうやって身に付けるのが正解なのでしょうか。

多くの経理スタッフが誤ったスキルアップをしていることを、実際のところあまり知られていません。
ありがちな思考の1つに、「経理部で一生懸命仕事を覚えたらスキルアップできる」というものがありますが、これはとても効率が悪く、成長が早い段階で止まってしまうパターンとなります。

 

 

どうしら効率の良いスキルアップができるのでしょうか。

答えは下記です。

・簿記のスキルアップ
・消費税法のスキルアップ
・法人税法のスキルアップ
・PC操作やExcelのスキルアップ
・クリエイターとしてのスキルアップ

これらのスキルアップを実現すると、相当なスキルアップが図れます。そして、一番いいことは、スキルの身に付け方が理解できるという点です。
スキルの身に付け方を理解できると、さらに難易度の高いスキルアップができるようになり、会計基準、開示書類の作成、連結決算、管理会計などもできるようになります。
それでは、1つずつ解説していきたいと思います。


簿記のスキルアップ

経理業務を行う上で欠かせないものとして「簿記」があります。
過去に簿記検定を取得している方が多いと思いますが、簿記の知識がどこまで残っているのかが問題です。
例えば、過去に日商簿記2級を80点で合格したとします。今、同じ試験をしたら何点取れるでしょうか。50点くらいかもしれませんね。50点の精度で経理業務を行えば、必然とミスが多くなるのは想像できるところです。
実際の経理実務の現場でも日商簿記2級の内容を答えられない経理スタッフがとても多いのが実態です。
そこで、経理のスキルアップをする上で最優先としていただきたいものが、「日商簿記2級を100%理解する」ことです。「理解した」ではなく「理解し続ける」ことがとても重要です。日商簿記2級を完璧に理解することで、次のスキルの身につき方が大きく変わってきます。裏を返せば、日商簿記2級の理解が中途半端な状態で、次の知識を習得しようとしても誤った理解をすることとなり、いつまでたってもスキルアップができないということになります。
是非、「日商簿記2級を100%理解し続ける」ことから実践してみてください。

 

消費税法のスキルアップ

簿記の次は、消費税法のスキルアップが重要です。理由は、仕訳には必ず「消費税の課税区分」を入力する必要があるためです。
消費税の課税区分を1つでも間違えてしまうと、消費税の納税額を誤ってしまったり、損益計算書の費用や利益が誤ってしまいます。たった1つの間違いでも、です。たった1つも間違わないようにするためには、消費税法をしっかり身に付けることがとても重要です。消費税法といっても、税理士試験レベルまでは必要ありません。仕訳や決算で必要なレベルで十分です。そこでお勧めは、「実務消費税ハンドブック(コントロール社)」です。実務に必要な消費税法の概要がコンパクトにまとめられていて、この1冊を覚えるだけでもスキルが相当に上がります。

 

法人税法のスキルアップ

消費税法の次は、法人税法のスキルアップが重要です。法人税法は、会社で起票する全ての仕訳に関係します。
法人税法が理解できていないと仕訳で交際費が分類できなかったり、様々な勘定科目の分類が正確にできません。その結果、決算時に膨大な集計作業が必要になったり、法人税額を誤ってしまったりします。法人税法を理解している人が仕訳をすると、決算もスムーズに行えて、法人税も正確に計算できます。法人税法といっても、税理士試験レベルまでは必要ありません。仕訳や決算で必要なレベルで十分です。そこでお勧めは、「法人税入門の入門(税研)」や「実務に役立つ法人税法(TKC全国会中央研修所)」です。実務に必要な法人税法の概要がコンパクトにまとめられていて、この1冊を覚えるだけでも相当にスキルが上がります。

 

PC操作やExcelのスキルアップ

PC操作やExcelのスキルが高い人は、他の人より格段に作業スピードが速くなります。2倍、3倍、10倍以上も早く作業ができるケースもあります。
仕事のできる人は、概ねPC操作やExcelスキルが高い傾向にあります。では、どのようにスキルアップすればいいのでしょうか。
まずPC操作ですが、お勧めは、「Windowsショートカットキー」を覚えることです。「Windowsショートカットキー」を覚えることで、PC操作は、格段に速くなります。知っているだけではダメで、体に覚えさせいつでも使えることが大事です。
次にExcelですが、Excelは関数を知っているだけでは実務に活かせません。そこでお勧めは、あるデータから必要なデータを「抜き出す」ことを色々なケースで行うことです。経理実務では、こうした「抜き出す」集計作業が頻繁に行われています。この「抜き出す」作業に関数を使いますので、「抜き出す」関数に慣れると良いでしょう。Excelで「抜き出す」ことがスピーディにできるようになれば、相当にスキルが上がっている状態です。

 

クリエイターとしてのスキルアップ

経理実務は、一般に与えられた「作業」を行います。実はこの「作業」をいくら積み重ねてもスキルアップは出来ません。
どういうことかというと、料理人で例えると、毎回創意工夫をして様々な食材から美味しい料理を作り出すシェフがいます。一方で飲食チェーン店などは、お店のレシピどおりに料理を作る人たちがいます。
前者はクリエイターですが、後者はクリエイターではありません。経理のスキルとして大事なのは、前者のシェフのようなクリエイターなのです。
会社で新たな事業が始まれば、業務フローを検討・構築して会計処理の道筋を作り、正しい会計処理をしなければなりません。このクリエイター能力があれば、経理スタッフとしては上出来です。従って、クリエイターをイメージしながら経理を行うことが、スキルアップに繋がるのです。

 

上記のように、たった5つのスキルを向上させるだけで必ず飛躍的に経理スキルが向上します。まずは1つ、始めてみてはいかがでしょうか。