経理の派遣スタッフの時給を上げる最善の方法とは?

2024年の経理の派遣スタッフの平均時給は、東京で約1,600円となっています。これを平均年収ベースに換算すると約320万円です。東京の20代前半の正社員の経理職の平均年収は約350万円となっていますので、派遣スタッフの給与水準は20代前半の人と同水準です。

昨今、多くの経理部門で人材不足と言われていますが、いかにして派遣スタッフの時給を上げていけばいいのかを解説いたします。

派遣スタッフの時給はどのように決まる?

派遣スタッフの時給がどのように決まるのでしょうか。派遣スタッフの時給は、「派遣先均等・均衡方式」、または、「労使協定方式」の賃金決定方式が採用されます。

 

「派遣先均等・均衡方式」は、「同一労働同一賃金」の指針を考慮したもので、派遣先の企業で、派遣社員と同じ仕事をしている派遣先社員の状況にあわせて給料・待遇を決定します。

「労使協定方式」は、派遣社員の待遇を、派遣会社内で締結する労使協定によって定めます。労使協定方式における比較対象は、「同じ地域の同じ職種に就いている正規社員」です。

多くの派遣会社は「労使協定方式」を採用しています。

 

「労使協定方式」で定める内容とは

@基本給および賞与、手当など
基準値×能力・経験調整指数×地域指数」の計算式で算出します。
基準値 厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」または「職業安定業務統計」の求人賃金から一定の計算方法により算出します。
能力、経験調整指数 能力や経験を数値化した指標です。「賃金構造基本統計調査」の特別集計から計算した勤続年数別の所定内給与に賞与を加えて算出しています。
A通勤手当
B退職金
つまり、「能力」や「経験値」が賃金に大きく影響するということであり、「スキル」が重要だということが解ります。



派遣スタッフの時給を上げるためには、4つの「スキルアップ」がカギ!

多くの派遣会社で採用している「労使協定方式」で派遣スタッフの賃金を上昇させるには、「能力」や「経験値」といったスキルを上げていくことが必要だと解説しました。それでは、実際にはどのようにスキルアップを図れば効率よく賃金上昇できるのでしょうか。

 

4つの「スキルアップ」

@企業が必要としているスキルを身に付ける
A同じ仕事でも他者より品質・スピードが上回るスキルを身に付ける
B個々のスキルを磨く
C関連したスキルを身に付ける

 

@企業が必要としているスキルを身に付ける

 企業が必要としているスキルで対象となる派遣人材が少ない場合は、スキルの価値が上昇します。例えば、英語ができる経理スタッフは少ない為、英語ができるというだけで時給単価が上昇する傾向にあります。よって、企業が必要としてるスキルを把握して、そのスキルを身に付ければ、時給が上がりやすくなります。

A同じ仕事でも他者より品質・スピードが上回るスキルを身に付ける

 同じ仕事でも他者より品質・スピードが上回るスキルを持っていれば、他者より2倍の業務量を正確に遂行できるかもしれません。このような能力を持っていれば、時給が上がりやすくなります。

B個々のスキルを磨く

 今のスキルで充分業務ができたとしても、個々のスキルを磨いておくことで時給が上がりやすくなります。例えば、消費税法を勉強したり、Excel技術を上げておくと、時給が上がりやすくなります。

C関連したスキルを身に付ける

 今、業務上必要のないスキルでも経理関連のスキルを事前に身に付けておくことで業務の幅が広がり、時給が上がりやすくなります。

スキルを上げるためには、自身のスキルの「棚卸」が必須!

スキルを上げるためには、自身のスキルの「棚卸」がとても大切です。自分のスキルの「現在位置」が分からないと何をどのように勉強したら良いのか分からなくなるためです。従って、自身のスキルの「棚卸」をして、現在位置を確かめて「ゴール」を設定する。このようにすることで、効率よくスキルアップが可能となり、成果としての時給も上昇します。


少しのスキルアップでも賃金に大きな差!

時給1,600円の派遣スタッフと時給2,500円の派遣スタッフで、どのくらいのスキルの差があるのでしょうか。実際には、大きな差が無いケースが殆どです。どういうことかというと、時給1,600円のスタッフでも、決算・連結会計・法人税などたった+1のスキルを身に付ければ時給2,500円のチャンスが巡ってくることがあります。1ヶ月勉強して決算処理を身につけて時給が上昇できるのであれば、とてもお得です!
ほんの少しのスキルアップでも賃金に大きな差となることがあるので、自身のスキルアップ目標を見つけてみると良いでしょう。